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定期更新型ゲーム"Ikki Fantasy"、通称"一揆"の雑感ブログ。 リンクやコメント、トラバはご自由にどうぞ。むしろ喜びます
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 ヴァンの日記に関してなので、興味ない方はスルー推奨。

 というわけで、6回に渡ってお送りしましたヴァン日記「セグラッツとの邂逅」がようやく終了しました。
 誰だ、4回で終わらせようとか言ってた奴。
 恐らく普通の短編小説として書いたら4、5回分の文字数で収まったんですけどね。
 定期更新ゲーなので最短でも一週間、下手すりゃ数週間に渡って続きが飛ぶので、見た人が細かい舞台設定を忘れる事を念頭に置いて、軽く復習っぽい事も書かないといけなかったり、山場とか引きとかをちょっとでも毎回入れておかないといけなかったりと、普通に書くのとは勝手が違って面白かったです。枚数はかさばってしまいましたが。
 全6回+おまけで32131文字、原稿用紙換算で81枚~85枚程度でしょうか。枚数だけ見たら立派に短編ですね。
 異世界を舞台にしたファンタジーの場合はどうしても「共通認識」として説明を省くことが出来ないので、ある程度枚数が膨らむのは仕方がないとはいえ、新美南吉の権狐が5034文字であのギッシリと詰まった名作なので、偉大な先人を見ると力不足を痛感します。小説は短く纏める方が難しい。専門時代に読んだ志賀直哉の短編「剃刀」や、萩原朔太郎の詩「死なない蛸」のように、短くても読者をその世界に引き込んでしまう文章が書きたいものです。偉大な先達は本当に偉大ですよ。
 その一方で、神坂一や深沢美潮も尊敬する作家なわけですがw
 まあ偽島のヴァン日記は、ランカーも狙っているために「面白く短く纏める」ではなく、「限界文字数までギッシリと、文字数稼ぎを行わないで面白く纏める」が主眼となっています。読み応えがあったと言って貰えればしめたものですね。最上はシンプルに「面白かった」の一言ですがw
 誰が読んでるか、誰か読んでるか、まったくわかりませんが、文字書きとしては書き続けるだけです。反応があれば調子に乗って、反応がなければ奮起する、それで良いじゃないかと割り切るのが偽島日記!

 大きな誤算だったのは、セグラッツの威力です。と書くと「何言ってんだ?」と思われそうですが、結構真面目に言ってます。
 「後悔もたらすセグラッツ」という名前の竜は以前から設定にあったので、この機会に登場させたんですが、これが本当に名前の通りでございまして……。
37回更新:後悔もたらすセグラッツ登場(第4回)→ヴァン、どうしようもないタイミングで命中率修正を喰らい、夢幻の造られしもの戦敗北
38回更新:セグラッツ大暴れ(第5回)→ヴァン、仲間と連係ミスでシャドウバックラー消滅、主力装備計画続行不可能に
39回更新:予定していたセグラッツ登場シーンをバッサリ→夢幻再戦圧勝。
 ……もう二度と登場させないでおこう。

 ちょっと後書きというのから逸れてるので戻しましょう。

 セグラッツとの邂逅は、偽島で続き物を書いてみたらどうなるだろうかという実験作です。
 以前から暖めている長編プロットに「アウェバストラの竜」というのがありまして、それの数百年前の時代が今回の「セグラッツとの邂逅」の舞台、ヴァンが負け続けてる時代になります。
 いつものヴァン日記は「〆切当日に考え始めて一気に書く」という手法だったので、今回は簡単にプロットの前段階の骨格だけを作って書いていこうという試みでした。結果は「骨格をベースに〆切当日に考え始めて一気に書く」といういつもと変わらない感じでしたがw
 むしろ骨格さえ骨格にならずにただのアイディアで止まってました。

・ヴァンはどこかの国に雇われている傭兵
・仲間は格闘家とドラグナイツ出身の強盗騎士
・進軍が難航、指揮官は山を越えて敵の背面を突こうと山越えを決断
・山は風化した「竜の伝説」が残る山だった。ヴァン、運が悪くその竜とバッタリ
・強盗騎士戦死、ヴァンと格闘家は生き残るも、兵力の半分近くを失う
・背面攻撃を実行するも、山での異変が察知され警戒されていたので敗北
・エピローグとしてどっかの酒場で飲んでるヴァン。敵国の軍が二面作戦で山を越えようとして竜に襲われ全滅したと聞く。両軍痛み分けで休戦と知る。

 これが骨格のほぼ全て。プロットにさえしていないのがよく解る、ただの思いつき帳みたいなものです。これを念頭に置いたのも最初の2回までで、後はキャラクターや物語の流れに合わせて変えていったので、あまり話の骨格とも呼べませんね。

 格闘家をバグストンにするのは最初から決まってました。あの人の姪っ子か従兄弟の娘が(前回未宣言だった)GBで使ってるレインシンク嬢です。バグストンは5回目で拳から炎出して、6回目で「炎拳の」という二つ名が付いていますが、そういう血族なのです。ヴァン日記、特にこういう乱戦状態を描くものではほとんど出番がありませんが、ヴァンの住む世界は剣と魔法のファンタジー世界なのです。
 何故に炎を使えるのかはバグストン氏の甥っ子が主人公の、復讐物の長編プロットがあるのでまた別の話という事で。ただこの辺の説明を入れる余地が無かったのは素直にミスでした。ヴァンと初めてからんだ時に「格闘傭兵バグストンの名は聞いている」と言わせましたが、そこを「炎拳の格闘傭兵」と3文字付け加えるだけで良かったので、今となってはミスったなぁと後悔しきり。
 付けなかった理由は、これまた単純にバグストンが炎拳で戦うシーンを予定してなかったからです。
 ヴァンがセグラッツと直接戦ってないのも当初の予定に無かった事ですし、かなり行き当たりばったりなんですよねw

 当初の予定に無かった最大のものは、リヒクト卿。
 最初は「卿」に当たるヴァンと、ヴァンドルフの略称ヴァンが被るから何となくその辺の説明をしてたぐらいだったんですが、妙にキャラが立ってしまったのでお気に入りにw
 貴族称と書いてますが、ああいうの本当はなんて言うんでしょうね? ドイツでいう「フォン」ですね。私の作品では東の大陸は「ヴァン」、南の大陸は「ウェン」なので、リヒクトが南出身ならウェン・リヒクトで特にヴァンと絡むことも無かったのでしょう。
 今回の「セグラッツとの邂逅」はヴァンの敗戦録である以上に、リヒクト卿の物語でもありました。
 タイトルと後悔の山の伝説云々で、セグラッツが竜の名前でヴァンがそれと遭遇しちゃうんだろうなと早い段階で読み取った人はいても、クライマックスであるセグラッツとの戦いに、まさかヴァンが微塵も参加せずに逃げるというのはわからなかったのではないかと思います。1回目を書いてる時にはまだ私もヴァンと戦わせる予定でしたしw
 クライマックスたる竜との決戦シーンはリヒクト卿に譲りました。
 ということで、「セグラッツとの邂逅 Extra Scene」を日記ログ置き場にひっそりと追加したわけです。
 昨日「書こう!」と思いついて即執筆した、3340文字のオマケです。不思議な事に、これを書いてようやく「よし、終わった」という実感が湧きました。やっぱこれの主人公はヴァンじゃなくてリヒクト卿だったようですw

 以下はExtra Sceneまで読んだ方向けです。

 オマケとはいえ、真面目に書いた文章ですが、やはり文字数に捕らわれずに書くのは楽しいです。
 ヴァンが今回主人公に見えて主人公じゃなかった最大の証明とも言えるのは、もう一頭の竜、幸運もたらすアウェバストラの存在に気付いていなかった事です。
 その辺りは、ヴァンの結果のみで日記を読んでくださった方には「ひょっとしたらこの雨で川が出現したのとかって……」と想像の余地を残すように、ちらりと「幸運もたらす」アウェバストラと「暴風の覇王」アウェバストラの名前を両方出してました。これはヴァン本人にしても、「この雨……まさかな」と自分の深読みに苦笑するという事柄です。でも、竜の国の騎士リヒクト卿ただ一人だけが、アウェバストラがやって来たことでセグラッツが逃げたヴァン達に追撃をしなかった事や、部下が助かったという幸運がもたらされたと知るわけです。

 「セグラッツとの邂逅6」の主人公、負け続けながらも戦い続ける傭兵ヴァンドルフは、僚友に与えられた命を使って責務を果たそうと奮戦し、なんとか仕事は終えるものの納得はできず、一年後に開戦の兆しをかぎつけて戻ってきます。そこで連絡が取れたかつての戦友バグストンと落ち合い、二人でこれから雪辱戦を挑むためにどうするかという相談をする予定でした。が、愚かにもセグラッツの寝所に踏み入った敵軍は壊滅してしまい、戦争は開戦してすぐに休戦という流れになってしまいました。というのが「6」のお話。ちょっと詰め込みすぎて伝わりにくいなと思ったので、力量不足を恥ながら、こうして解説を書きました。
 そして「セグラッツとの邂逅ES」。
 誇りを捨てたのではなく、押さえつけ続けた騎士の復権がこの「セグラッツとの邂逅」のもう一つの終幕でした。
 リヒクトの行動は言ってしまえば自己満足に過ぎないのですが、彼と彼を知る周囲の人にとってそれ以上の決着は無かったのではないかと思います。少なくとも私は、リヒクトにとって最も幸せな結末だったと信じてあれを書きました。

 長期間にわたって長ったらしい文章を読み続けて頂き、さらにはこんな蛇足の塊にまで目を通して頂き、誠にありがとうございます。
 以上をもちまして、「セグラッツとの邂逅」は終了。次回は比和さん主催の文字書き企画「つうかあ」に参加予定です。
 久しぶりにちゃんと勝ってるヴァンが見れるかも知れませんし、やっぱり負けるかも知れませんw
 それではまた。
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